2012/03/05

1. メランコリア/melancholia


2.22.wed
11年135分(デンマーク・スウェーデン・仏・独/カラー)
大阪ステーションシネマ ☆☆☆1/2 
director: ラース・フォン・トリアー
cast: 
キルスティン・ダンスト シャルロット・ゲンスブール
キーファー・サザーランド アレキサンダー・スカルスガルド
シャーロット・ランプリング ジョン・ハート
story:
花嫁のジャスティン(キルスティン・ダンスト)は、
姉クレア(シャルロット・ゲンスブール)と姉婿
(キーファー・サザーランド)の豪邸で披露宴を行い、
幸せな夜を迎えるはずだったが、浮かない様子。
巨大惑星メランコリアが地球に近付くにつれ、
ジャスティンの容態は変化していく。

memo:
今年やっと初鑑賞の映画「メランコリア」。
クラシックBGMに、空から降って来る鳥静止映像は
「アンチクライスト」冒頭に似た美しいプロローグ。
トリアー苦手な人にも概ね評判良いらしい今作は、
いつものえぐるような毒々しさは控えめで映像美が
際立つ。
毎度ヒロイン単体を追いこむが、今回は大規模に
地球滅亡なるテーマで観客に恐怖感を煽り、
退廃的で崩壊感漂わせる美しいパニック映画。

いつもの怒りに近い感情が沸き起こらず、
物足りなさを感じなくもないトリアーの毒気に
麻痺してるのか。虚しさが残る感じ。
「アンチクライスト」はバイオレントな映像描写が
エグくて非現実的な恐怖だったけど、今作は人間が
抵抗出来ない自然現象として起こりうるリアルな
恐怖感を連想させるラスト。
1年前の日本では公開自粛な内容だったかも。。

キルスティン主演と思ったら、前編:妹キルスティン、
後編:姉シャルロット視点の二部構成で、巨大惑星の
接近によって姉妹の心境の変化が対照的に描かれている。
幸せそうにはしゃいでいた花嫁ジャスティンは、
徐々に不機嫌で憂鬱な気分になり、壊れていく妹を
心配そうに見守る姉クレア。
しかし、惑星が近付くにつれ逆転し、状況を冷静に
受け入れる妹に対し、姉はパニックで取り乱し始める。
強迫観念からとんちんかんな行動を起こす姉が滑稽に
見えるシーンもあったけど、あの状況に置かれたら
きっと自分も彼女のようになるのだろうと感じた。

今作でキルスティンがカンヌ主演女優獲ったんだっけ。
ホルスタイン胸をさらけ出し(巨乳っぽいと思ってたけど
予想以上に立派なお胸)脱ぎっぷり良く、病的に滅入った
女性をリアルに演じてたけど
賞候補ってヌードが付き物?受賞確率高い気が。
シャルロットも「アンチクライスト」で素っ裸になり、
狂女を演じてカンヌ主演女優もらってたし(崩壊ぶりは
確かにスゴかった)過去の受賞者も然り。
それにしても、トリアー作品はノミネート多いですね。

キルスティン本人のクオリティ以上に可憐に映し出す
ソフィア・コッポラ、容赦なく剥き出しに醜く描写する
トリアー。撮る人次第で被写体が違って見えて面白い。
歴代ヒロインを振り返り、スッピン多い気がするけど、
「ドッグヴィル」のニコールは汚れ役でも終始美しかった
印象なので、元が良いのか抜かりないメイクだったのか。

振り回されっぱなしのキキ嬢の花婿(なかなかイケメン
が不憫。。
母親役シャーロット・ランプリングの仏頂面に難あり性格、
奇怪な行動、母娘の非常識なバスタイムはこの母にして
この娘ありな感じで笑えた。
キャスリン・ターナーみたいなイカツい顔にたくましい
上半身の(下半身は美脚でスリム)ポスターだけど、
(このブ顔選ぶ時点でトリアーのS的部分が伺える)
清楚なすずらんのブーケってとこが可憐で素敵です。

追記:地球=姉、惑星=妹を象徴しているそうです。

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